18年度第一回定例議会市長施政方針表明に対する会派代表質問
16番【長内敏之君】 日本共産党を代表して、市長の施政方針に対して、質問を行います。
 つい先日まで、冬季オリンピックが行われました。世界じゅうが温かい気持ちで、自国の選手の活躍だけではなく、さまざまな国の選手たちの活躍を応援しました。ことしはさらにサッカーのワールドカップもあります。これら国際的なスポーツ大会は、私たちに人類史的な希望を与えてくれます。それは、国籍や人種、宗教の違いを超えて、一つのルールで互いに競い合う、この根底には、さまざまな違いを互いに認め合い、互いに尊敬し合う精神が根づいているからです。国際関係においても、意見の違いはあっても、互いに認め合い、理性と知性を持って、話し合いで解決するのは、国連憲章や日本国憲法の精神でもあります。人類の歴史の中で、戦争をもって意見の違いを解決する野蛮な時代を早く終わらせることが必要です。しかし、日本政府はこの数年、全く逆の動きをしています。過去の日本の戦争は、正しかったと歴史を偽造して、侵略戦争の名誉回復を図ろうとする動きが公然と起こっています。靖国神社の参拝は、自存自衛の戦争、アジア解放の戦争として、正当化する。靖国神社特有の歴史観、これに日本政府が公認のお墨つきを与えることが今日の世界において、許されるのか、ここに問題の核心があります。この靖国神社参拝と戦争礼賛の教科書を子供たちに教え込もうという教科書問題の根は、一つです。この問題についての市長の見解と平和を守る決意をお聞かせください。
 2点目は、財政問題です。三位一体の改革は、2004年度(平成16年度)から2006年度(平成18年度)の補助金の削減総額4兆6,661億円、2003年度(平成15年度)分を含めた4年間の補助金削減の総額5兆2,286億円、2003年度(平成15年度)から2006年度(平成18年度)の税源移譲の総額、3兆700億円、交付された補助金総額7,943億円、財源手当てのない補助金削減額1兆3,650億円です。三位一体の国立市への影響は、平成15年度と比べて、19年度までの合計で18億9,500万円の収入の減少であり、定率減税廃止に伴う地方特例交付金の廃止があれば、さらに3億円の減収が予想されています。この責任は、地方にあるのではなく、国の不要な道路建設、空港建設に代表される放漫財政にこそその責任があります。市長はこのような状況で、市民生活を守るために、地方財政の改善を求めて、国や都に働きかけるべきと考えますが、市長の見解をお尋ねします。
 3点目は、このような財政状況の中でも、市長は、憲法25条を守り、公共料金は値上げしないで、市民の教育、福祉を守り、市民生活を守る決意をお聞かせください。
 4点目は、道路問題です。国立駅の東側ガード部分のボトルネック解消事業ですが、現在は信号による片側通行ですから、渋滞は単純に半分になります。東京都の補助事業であり、有効な事業です。高架化事業によって、他の部分でも、南北交通が開けますから、渋滞は解消されます。しかし、全体的に見ると、国土交通省でも、東京都でも、道路計画の見直しがされていて、予算確保が大変難しくなってきました。さらに2015年から東京都全体でも、人口減が始まります。現在、国立市の道路面積比率は三多摩で1番です。道路建設というのであれば、南部地域の生活道路の改善が優先であり、膨大な資金を必要とする幹線道路計画は財政状況を見きわめて、極めて慎重にすべきと考えますが、市長の見解をお聞きします。
 5点目は、駅舎保存についてですが、東京都、JR東日本、国立市が協議を重ね、一番安く保存できるものとして、曳き家による保存を計画しましたが、議会で反対されました。残念ながら、駅舎の保存は市長がかわればなどと政治の道具にする声もあります。駅舎は政治の道具にさせてはなりません。新しい段階で、さらに市民の願いを受けて、保存に努力していただきたいが、市長の決意をお聞きします。
 6点目は、職員士気高揚と人事評価について、お尋ねします。公務員をどう見るのかということです。そもそも公務員は憲法で全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと書かれています。これは、戦前、官吏はすべて天皇の官吏だったことの反省に立って、直接国民、市民に奉仕するという意味です。公務員は住民の個人情報を持ち、会社の情報も持ち、さらに住民に対して強制力も持ちます。民間とは明らかに違います。そのため、人事院などによって、その身分と待遇が保障され、さらに団結権も団体交渉権も保障されているのです。公務員は市民に信頼され、喜ばれたときにこそ士気が高揚し、やる気が高まるのです。人事評価の導入で、お金がふえたり、減ったりする。地位が上がれば、やる気が出る。そうでなければやる気が出ないというのでは、かえって信頼できないのではないでしょうか。公務員にとって重要なのは、奉仕者の集団としての励まし合い、支え合う信頼関係であり、市民からの感謝の声を共有すること、それをエネルギーにすることではないでしょうか。市長の見解をお尋ねします。


◯議長【関 文夫君】 答弁願います。市長。



◯市長【上原公子君】 たくさんございますので、できるだけ早くお答えできるようにしたいと思います。まず、平和問題は、これは私、再三申し上げておりますので、改めてということでございますが、教科書、それから、靖国に絡んでの御質問でございました。まず、教育基本法が昭和22年国会に提案されたとき、当時の文部大臣田中耕太郎氏が、教育の独立性の必要について、こう答弁しております。このことは、私はいつもかみしめたいというふうに思っておりますが、「従来の我が国における教育は、あるいは政治的に、あるいは行政的に不当な干渉のもとに呻吟し、教育者はその結果、卑屈になり、教育全体が萎縮し、歪曲させられ、その結果、軍国主義及び極端な国家主義の跳梁を招来するに至ったのである。」だから、教育は不羈独立の精神を持って自主的に遂行しなければいけないと、強い決意で教育基本法のことを当時の大臣が語っているわけですが、しかし、昨今、この教育基本法の改正の動きがあって、まさにその過去の軍国主義への突進していった反省を忘れて、教育を支配することにより、再び国家統制の動きが始まっているのではないか。そういう危惧さえうかがわせるものがあります。その一つの端的な例として、教科書問題があったんだろうと思います。昨年中国で反日デモが起こりましたけれども、その反日デモに対して、加藤周一氏が新聞でこのように述べてらっしゃいました。これは中国の日中関係の学者の名誉会長が言われたことを踏まえてですが、歴史に対する認識が違えば、もう一度侵略戦争をするのではないかと、中国の人は心配がある。中国がなぜ、そのデモをやったかという、その背景には、基本的には靖国問題と教科書問題などがあるということは指摘をしているようですが、そのことに対して、戦争の歴史は日本の歴史であると同時に、中国の歴史でもある。歴史意識が国内問題であり、外国の介入すべき事柄でないという主張は無意味である。靖国神社は戦争で死んだ軍人、軍属を祭るばかりでなく、戦争を解釈するから、その解釈は、戦前戦中戦後を通じて、根本的にほとんど変わっていないのであるが、首相の参拝が国際的問題を持つのであると加藤周一氏がおっしゃっていますが、まさにそういうことだろうと思っております。
 先日、国立のピースくにたちで、日本国憲法の上映会をやりまして、監督も見えたわけですけれども、その中で、大変私は、心にしみた言葉がありました。いわゆる加害国、侵略国としての日本が、日本の今後のあり方を国際的に誓ったのが、実は憲法9条なんだというふうに述べてらっしゃいます。あるいは特にアジアの民衆に誓ったと。これが憲法9条なんだと。だから、それを放棄するということは、その誓いを放棄することであるということを世界各国の方が述べられて、非常に印象的でございました。そういった意味で、今後もこの平和ということを中心に据えてしっかり私たちは過去に戻らないということを改めて誓わなければいけないだろうというふうに思っております。
 それから、2番目は、今の財政問題で、ぜひ、都や国の方に改善を求め、働きかけるべきではないかと。三位一体のことについての意見を出せという御質問でございましたけれども、さんざん申し上げましたけれども、大変な状況に自治体は追い込まれております。国立は特に大変な財源という状況に置かれておりますので、ぜひ、こういった三位一体については、改善を求め、そして、地方自治体がまさに自立できるような保障を求めてまいりたいというふうに考えております。
 3番目の憲法25条を守るという、これも以前私はお答えさせていただいております、こういう財政的に非常に苦しんでいる状況があるからこそ、市民の皆さんに特に私たちが25条を守って、市民生活に圧迫をしないような工夫をしなければいけない、そのことは一番基本に据えたいというふうに思っております。
 それから、3・4・10の問題です。これにつきましては、おっしゃるように、大変財政負担の大きいものです。しかしながら、駅周辺整備に関しましては、3・4・10の問題、西一条線の問題、このことが一つの骨格となって、駅周辺のまちづくりの全体が見えてくるということもございますので、財政状況、もちろん状況を見きわめながら対応しなければいけないだろうというふうに思っております。当面はボトルネックの部分については、補助金を活用しながら、先行的にガード下の拡幅を行いながら、安全利便の向上を図ってまいりたいと思っております。今後も、できたら、できるだけ早くその2本の交通の問題を解決しながら、全体的な駅周辺の問題を進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、駅舎保存についてですが、このことにつきましては、きょうたまたまこの大きな東京新聞のこういう記事が出ておりました。歴史を刻むお金で買えないシンボルが、お金のないということで、本当に消えてしまうのかということでしたけれども、また、とても心配してらっしゃる市民の方が要望書を持ってきてくださいました。議会に対しても、JRに対しても、東京都に対しても、出してくださるというお話でございました。そして、これは先々週でしたか、2月の16日付で、一橋のOB会、如水会が社団法人如水会として、駅舎保存ということの要望書を大変厚いものを提出してくださいました。わざわざおいでいただきました。そのさまざまな団体から、今ぜひ残すべきという声が、本当にたくさん上がってまいりました。危機的な状況に対して、これほど多くの支援をいただいているということを非常に感謝をしたいと思います。いろんな皆様と、こういった要望書をいただく皆様とお話をさせていただきますと、如水会の方々もそうでしたけれども、あれは、部材だとか、それから、張りつければいいとか、そういうことで保存に当たらないのだと。そのものを残さなければ保存にならないということも、強くあわせて要望されております。国立市挙げて保存ということは、これまで決意した経緯があるわけですから、このことについては、皆さんと一緒に頑張っていきたいというふうに思っております。
 それから、多分最後の問題です。職員の士気高揚についてですが、申し上げるまでもなく、バブル崩壊後、長期にわたっての経済不況は市民生活を大変圧迫をし、若者も高齢者も未来に大変不安を抱いたまま暮らしていらっしゃる状況が続いております。その中で、私どもがいただく税金は、まさに血税であり、私たちは税金を預かり、市政運営をさせていただいている公ですので、その血税と言える大切な税金は1円たりとも、おろそかにできないという真摯な気持ちで日々仕事に向かわなければならないというふうに思っております。おっしゃるように、それでも、公務員は法律に基づき、税金を徴収できるいわゆる公権力であるからこそ、主権者が市民であること、憲法を遵守すべきは公務員であることが憲法99条の憲法擁護の義務として書かれてあるわけです。これまで経済優先主義の中で、国民を欺くような公共投資が産官癒着構造の中で進められ、結果的に列島崩壊と財政危機に追い込まれたとの批判がございます。信頼を大きく失い、財政破綻を生み出した構造を変えていくことこそが我々の信頼回復の道だというふうに考えております。市民に一番近い自治体は、市民に一番その回復のしやすい位置にいるということです。まずは、地方自治の本旨に立ち戻り、市民と向き合い、市民とともにまちのありようを考える行動が必要です。市民参加、市民との協働が問われるのは、そのためであるわけです。そして、徹底して自治体の事業を見直し、財政再建に向けても、みずからが襟を正して改革を進めなければなりません。そうしたことがあって初めて、市民から信頼される自治体になるのだというふうに思います。民間企業の厳しい改革の中で、市民は常にあえいでいることを認識しつつ、市民の皆さんの生命財産を守っているということを誇れるように、職員はならなければならないというふうに思っております。これからますます高齢社会を迎えるに当たり、あわせて財政窮迫が目に見えている状況の中で、職員は一層厳しさが要求されています。だからこそ行政のプロとしてみずから磨き、頑張る職員はむしろ評価されなければなりません。確かに喜びを感じる評価のあり方も、さまざまかもしれません。しかし、評価の一つの方法として、評価にふさわしいポストがあるのも当然です。ポストが上がれば、それに付随して責任も発生してくるということです。ですから、地位とともに、給与も上がるということは、単に金銭で名誉を賄うのではなく、責任の重さに対する当然の対価だと考えております。どんなに働き方が違っても、給料が同じという方が、私はむしろ不公平感が募るだろうというふうに思っております。みずからの目標を持ち、責任を持って、仕事を誠実にこなす。そして、その働き方にふさわしい対価が支払われる。これは望ましい労働のあり方だというふうに思います。ただ、公務員の仕事は、民間と違って利益を上げるということが仕事ではないために、売上高とかで、仕事の評価ができない側面があります。評価の仕方は、どの自治体もまだ試行錯誤の状況にあります。実施しながら改良を進めざるを得ないかなというふうに思っております。
 先日訪れましたドイツでは、このようなことは当たり前だよというふうに、私は指摘をされたんですが、自治体職員は、集団で評価されるのではなく、個々の個々人がプロとして能力が評価され、また、個人の責任も負うというシステムの中で、大変誇りを持って仕事をしてらっしゃいました。ますます小さくせざるを得ない自治体だからこそ、少数精鋭の職員の働きに市民は期待をしているし、市民の未来を含めて任せていたいというふうに思っているんだと思います。過去も決して豊かでなかった国立を市民とともに幾多の苦難を乗り越えながら、守り、すばらしいまちとして全国から注目を浴びるまでに育ててきた職員たちですから、私は、これからも市民の期待にしっかりこたえてくれるというふうに期待をしております。以上です。

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